11月は国の定める薬剤耐性(AMR)対策推進月間です

薬剤耐性という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

薬剤耐性は細菌などの微生物が抗生物質の治療薬に対して効きにくくなるように学習することをいいます。

薬剤耐性を起こす微生物は細菌だけでなくウィルス、寄生虫などがあります。

抗生物質を初めて発見されたのは1928年で、それから細菌と人間の戦いは抗生物質を発明しては、微生物側が耐性をつける、また新たに人間側が抗生物質を発明、微生物側が耐性をつける、という歴史を経てきました。

しかし昨今では微生物側が耐性をつけるスピードが早くなっており、そのため2050年にはがんで死亡する人よりも薬剤耐性菌で死亡する人の数の方が多くなると予想されています。

微生物側が耐性をつける理由の1つとして、不必要な時の抗生物質の使用です。

抗生物質をたくさん使われることで細菌は抗生物質を学習する機会をたくさん得るのです。

耐性をつけないようにするためには我々医師と患者さんが協力して不必要な抗生物質の使用を避ける必要があります。

風邪や腸炎では抗生物質は不要とされており(必要な場合もあります)、適切な抗生物質の使用を我々は心掛けております。

参考資料

かしこく治して、明日につなぐ〜抗菌薬を上手に使って薬剤耐性(AMR)対策〜