乳児健診は受けられているでしょうか。予防接種だけではなく乳児健診も色々な場所で受けないといけないのでお母さんは本当に大変ですよね。乳児健診は3つの役割があるとされています。それは病気の発見、成長の評価、発達の評価の3つです。病気は体をくまなく確認することで、成長については身長や体重、頭囲や胸囲を測定します。発達についてはその時期に出現しているべき神経反射や問診、診察をすることで正常かどうかを確認しています。
いつ乳児健診は受けないといけないの
通常母子保健法では1歳半と3歳の健診を行うことを区市町村に義務としています。しかし1歳半の時にはすでに見つけておくべき発達障害や成長の遅れなどもあるため杉並区の乳児健診では他区よりも診察を受ける機会が多く設けられています。具体的には3ー4ヶ月健診、6ー7ヶ月健診、9ー10ヶ月健診、1歳半健診、3歳健診があります。3ー4ヶ月健診と3歳健診は保健センター(荻窪保健センターか高井戸保健センター)で実施をする決まりになっています。また、1歳半健診は中島医院と保健センターの両方で受ける必要があります(保健センターでは歯科診察と育児相談が中心です)。よって当院で行う健診は6ー7ヶ月健診、9ー10ヶ月健診、1歳半健診となります。沢山あることはお子さんにとっては病気の見逃しを防ぐ意味ではいいのですがお母さんは大変です。
ワクチンスケジュール(3歳まで)と乳児健診については以下にまとめておりますのでよろしければ参照されてください。
年齢(生後) |
ワクチンスケジュールと乳児健診 | |
2ヶ月 |
ヒブ① 肺炎球菌① B肝① ロタ① |
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↓ 4週間あける |
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3ヶ月 |
ヒブ② 肺炎球菌② B肝② 4混① ロタ② |
3ー4ヶ月健診 (保健センター) |
↓ 4週間あける |
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4ヶ月 |
ヒブ③ 肺炎球菌③ 4混② ロタ③ |
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↓ 4週間あける |
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5ヶ月 |
4混③ BCG |
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6ヶ月 |
B肝③ +6ー7ヶ月健診(中島医院) |
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9ヶ月 |
9ー10ヶ月健診(中島医院) |
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1歳 |
ヒブ④ 肺炎球菌④ 4混④ 麻しん風しん① 水痘① おたふく① |
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1歳半 |
水痘② +1歳半健診 (中島医院) |
1歳半健診 (保健センター) |
3歳 |
日本脳炎 |
3歳健診 (保健センター) |
どんなことに注意して健診しているの
健診のタイミングには理由があります。それぞれの健診で医師が主に確認している項目や見逃さないように気をつけている病気について述べます。
3ー4ヶ月健診
気をつけるべき病気:脳性麻痺、先天性股関節脱臼、斜頸、先天性心疾患
首が座っていない時や体が硬い・体が反るようなことがないかどうか、足の股関節を動かすかどうか、首が斜めになっていないか、異常な心臓の音が聞こえないかどうかを確認します。首の座りは2〜4ヶ月の間に座るので3ヶ月健診ではまだ座っていないこともありますが、4ヶ月でも座っていない場合にはやや遅めと考えます。またペンライトを使っても目でライトを追いかけない時には視力障害や知的障害を考えることもあります。
6ー7ヶ月健診
7ヶ月は発達の遅れを見つけることが多い時期です。そのためできれば6ヶ月で受けるのではなく7ヶ月で健診を受けるようにしましょう。6〜7ヶ月ではお座り、寝返り、手を伸ばして物を掴むなど発達を認めます。また母親を認識して欲しいものがあると声を出して要求をするようになり親子の関係がより強固になる時期です。
気をつけるべき病気:脳性麻痺、先天性片麻痺、難聴、知的障害、頭蓋骨異常、斜視、先天性心疾患、鼠径ヘルニア、停留精巣など
お座りをするかどうか、脇を支えて立たせると足をついたりピョンピョンしたりするかを確認します。またハンカチを顔にかけて手でとるかどうか、両手を使うかどうかを確認します。その他呼んで振り向くかどうかなども診察します。その他に反射として仰向けの状態から引き起こして腕や足がしっかり曲がるかどうか、前に倒して手が出る反射があるかどうかなどを確認します。
9ー10ヶ月健診
この時期も発達を確認する重要なポイントとなります。神経の発達が進み運動ではつかまり立ちやつたい歩きなどをするようになります。バイバイや手をパチパチとするモノマネ動作ができるようになります。「マンママンマ」「ダゥダゥ」など意味のない発声もするようになります。9ヶ月は発達の時期の判断に悩むことがあるのでできれば10ヶ月健診を受けるようにしましょう。
気をつけるべき病気:脳性麻痺、先天性片麻痺、難聴、知的障害、斜視など
物を親指と他の指で挟んでもつか確認します。つかまり立ちをするかどうか、しない場合にはつかまり立ちをする準備のための反射(支えながら立たせて前後左右に動かして足が出て支えようとするかどうか)を確認します。また前に倒して手が出る反射があるかどうかなどを確認します。
1歳半健診
この時期になると転ばないで上手に歩く、意味のある単語を喋るというより人間らしさを獲得している時期です。離乳を完了し家庭より外や公園に出始めます。公園でも保護者が見える範囲で一人で遊んだり、他の子供に興味を示したり保護者と一緒に遊ぶことができます。絵本を見て知っている動物を指差したり積み木も2〜3個積めます。
気をつけるべき病気:脳性麻痺、先天性片麻痺、難聴、知的障害、斜視など
診察はより発達に注意して行われるようになります。歩行の程度、歩行時の手の位置、積み木を積むかどうか、鉛筆で殴り書きをするか、絵本を見て知っている物をさすか、目でライトを追いかけるかなどを診察します。
3歳健診
3歳は自我が芽生える時期になります。だんだんと母に依存していた状態を脱して自由で自分ですることに楽しみを覚えます。また大人の反対や秩序を身につけ社会性を学ぶ時期でもあります。
診察はつま先歩行や踵歩行、片足立ちなどを確認します。また積み木がたくさん積めるかどうか、真似して丸が描けるかどうかなども確認します。
いかがでしょうか。健診はご本人もですがご家族が不安や悩みもあれば相談して良い場所です。荻窪にお住いの方で乳児健診を希望の方はお気軽に当院にお越しください。