逆流性食道炎(胃食道逆流症)
逆流性食道炎とは
逆流性食道炎(胃食道逆流症)とは胃液が食道に逆流することによって食道の粘膜に傷害が起きて症状が起きる病気です。逆流性食道炎は日本人の10%ほどに認められる病気で、日本ではかかる人が増えています。
逆流性食道炎の症状は?
症状としては胸やけが主です。また喉まで焼けるような感じや胃酸がこみ上げる感じがするとおっしゃる方もいます。胃痛や胸の痛み、飲み込みにくさを訴える方もいます。また、長引く咳の原因が逆流性食道炎のこともあります。また喘息や睡眠障害の原因となることもあります。
どんな検査をするの?
逆流性食道炎を疑う症状のある人全てに検査が必要なわけではありません。典型的な逆流性食道炎の症状がある場合には診断的治療として胃薬を使用します。症状が胃薬で改善しない場合や以下の症状がある場合には胃カメラで精査します。
- 60歳以上で初めて胸やけを感じた時
- 逆流性食道炎の症状に加えて最近鉄欠乏性貧血と診断された時
- 食欲不振がある場合
- 原因不明の体重減少がある場合
- 食べ物の飲み込みにくさ、もしくは飲み込む時に痛みがある場合
- 嘔吐が続いている時
- 一等親血縁者(親、子、兄弟)に胃や腸のがんの方がいる場合
- バレット食道(食道の粘膜が変化する病気で発がん性があります)のリスクが複数ある場合
逆流性食道炎を5年以上患っている、50歳以上、男性、食道ヘルニア、肥満、夜間の胸やけ、喫煙、バレット食道の一等親血縁者
症状を楽にするためには?
以下の生活習慣の改善をするようにしましょう。ただ、生活習慣だけでは症状はよくならないことが多く、胃薬を併用することで効果が期待できます。
- 肥満の方はダイエットをする
- 頭を高くして眠る
- 症状を悪化する可能性のある食事(コーヒー、チョコレート、アルコール、脂っこいもの)を避ける
- 飲酒量を減らす
- 禁煙する
- 食後3時間は横にならないようにする
いかがでしょうか。逆流性食道炎は症状から診断できることが多いのですが、時に胃薬を2ヶ月以上使っても治らないこともあります。睡眠に影響を与え、日常生活への支障は大きいためしっかりと消化器専門医の診察を受けるようにしましょう。荻窪にお住いの方でお困りの方はどうぞ当院へご相談ください。
参考資料
日本消化器病学会 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015
Up To Date Patient education: Acid reflux (gastroesophageal reflux disease) in adults (The Basics )