ヒトメタニューモウィルス
ヒトメタニューモウィルスとは
ヒトメタニューモウィルスは喉や気管支など呼吸の通り道に感染を起こすウィルスで、どの年齢でも感染する可能性があります。特に小学校に入学する前のお子さんやご高齢の方、免疫が弱い方に感染することが多いです。2001年に発見された、RSウィルスと同じパラミクソウィルスという種類の仲間です。冬の終わりから春にかけて流行します。
どんな症状が起こるの?
ヒトメタニューモウィルスに感染した場合にすぐに症状は起こりません。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は3〜6日です。症状は咳、発熱、鼻づまり、息切れがあります。ほとんどの人が風邪と同じで自然と良くなりますが、症状が進行すると喘息の発作が出たり、気管支炎や肺炎になることもあります。
どうやって診断するの?
当院ではヒトメタニューモウィルスの診断は迅速検査にて行なっています。綿棒で鼻水かのどを調べ15分ほどで検査結果は判明します。ただ、ヒトメタニューモウィルスは全ての人には医療保険で検査をできません。医療保険で検査できるのは6歳までのお子さんで診察にて必要性があると判断された場合だけですのでご注意ください。
どうやって治療するの?
ヒトメタニューモウィルスは何か特別な薬があるわけではありません。ウィルスには抗生物質が効かないので抗生物質は効果がありません。症状を和らげる対症療法が中心になります。
ヒトメタニューモウィルスの感染を予防するためには?
ヒトメタニューモウィルスに感染すると痰や鼻水に1週間ほどウィルスが含まれます。特に発熱してから4、5日間は特にうつりやすいので注意が必要です。
風邪をもらわないために
- 手を洗う時には石鹸を使って洗いましょう
- 眼、鼻、口を洗っていない手で触らないようにしましょう
- 風邪をひいている人に必要以上に近づかないようにしましょう
風邪をうつさないために
- 咳やくしゃみをする時には口をふさぎましょう
- 1回につき20秒ほど石鹸を使ってしっかりと手を洗いましょう
- 風邪をひいて体調が悪い時には自宅で安静にしましょう
ヒトメタニューモウィルスはよくいる風邪のウィルスで、ほとんどが自然に良くなります。しかし幼稚園では他のお子さんへの感染のリスクの恐れもあり検査で調べるようお願いされることもあるかと思います。検査をご希望の方はどうぞ中島医院へお越しください。
参考資料
CDC The National Respiratory and Enteric Virus Surveillance System(NREVSS) Human Metapneumovirus(HMPV) Clinical Features