マイコプラズマ
マイコプラズマとは
マイコプラズマ感染症は肺炎マイコプラズマという細菌が肺に感染する病気です。症状としては咳、発熱、のどの痛みなどを認めます。以前はマイコプラズマ肺炎が4年に1度流行していたためオリンピック肺炎と呼ばれていましたが最近では2011年、2016年に流行がありましたがその後大きな流行はありません。しかし小学校前から大学生までの肺炎の原因菌で最も多く、かかる人が多い感染症です。
どんな症状があるの?
肺炎マイコプラズマ(以下マイコプラズマ)は名前に肺炎がついているように肺に感染する病気ですので主に咳、のどの痛み、痰などの症状が多いです。お子さんではゆっくりと感染が進むのが特徴です。一般的に肺炎は症状が進むのが早いので肺炎と診断されるのに時間がかかります。最初はだるさや頭痛、微熱が生じ、次第に喉の痛みや咳が出てきます。その他に発疹が出たり、お腹の調子が悪くなって吐いたりすることもあります。また筋肉痛や関節の痛みが出ることもあります。
どんな合併症があるの?
マイコプラズマに感染してもほとんどの方が軽症で済みます。しかし時に合併症を起こすことがあります。具体的には重症な肺炎、喘息発作、脳炎、貧血、腎機能障害、皮膚の病気などです。このような合併症を起こしやすいのは肺の病気を持つ方や免疫が弱い方です。
どうやって診断するの?
マイコプラズマはよくある風邪と症状が似ているため診察だけでは診断ができないことがあります。そのため当院では綿棒でのどの検査を実施しています。結果は15分ほどでわかります。この検査は当日にすぐ結果がわかる優れた検査ですが、精度が100%ではないので診断が難しい場合には採血をすることもあります。
どうやって治療するの?
マイコプラズマは抗生物質で治療を行います。抗生物質の内服期間は薬によって異なりますが、途中で症状がよくなっても飲みきる必要があります。抗生物質を途中で中断してしまうと耐性菌という抗生物質が効きにくい細菌に変化してしまうことがあるからです。特にマイコプラズマは耐性菌を作りやすいことで有名です。抗生物質を飲み始めると2、3日で解熱し、その後しばらくして咳などがよくなります。
感染しないためにはどうすればいいの?
マイコプラズマは咳や鼻水で他の人に感染します。そのため以下に注意をしましょう。
咳やくしゃみをするときには口をテッシュなど使って塞ぎましょう。使用したテッシュはゴミ箱に捨てましょう
テッシュがない場合に咳やくしゃみをするときには二の腕や肘で口をふさぐようにしましょう。素手で口をふさぐと菌が手に付着し、付着した手でドアノブなど触って広がってしまいます。
手をよく洗いましょう。石鹸を使用して20秒は洗うようにしましょう。アルコール消毒でも構いません。
マイコプラズマは風邪症状と変わらないのに肺炎を起こす診断が時に難しい病気です。検査希望の方はどうぞ中島医院へお越しください。
参考資料
CDC Mycoplasma pneumoniae infection
日本マイコプラズマ学会 HP
国立感染症研究所 HP