ロタウィルス
ロタウィルスとは
ロタウィルスは人から人に感染して胃腸炎を引き起こすウィルスです。ウィルスが胃や腸に感染すると嘔吐や下痢が起こります。季節性があり冬から春にかけて流行します。非常に多くの方が感染しており、小学校までにほぼ全ての人がロタウィルスに感染します。ただし赤ちゃんや小さいお子さんで感染すると入院する必要が出るほど悪化することがあります。
どういった症状があるの?
ロタウィルスに感染するとおよそ2日の潜伏期間を経て嘔吐、下痢が3〜8日間続きます。そのほかの症状としては熱や腹痛、食欲低下や脱水が起こることもあります。脱水が強い時に入院となることが多いのですが、医師の脱水の目安としては以下のものがあります。
- 尿の回数が減る
- 口が乾いている
- 立ちくらみがする
- 泣いた時に涙が出ない
- ぼーっとしたり、苛立つ様子があり普段と様子が違う
どうやって検査するの?
ロタウィルスの診断のためには便にロタウィルスがいることを証明する必要があります。当日中に診断できる簡易な便検査があり、それを用いて診断します。
どういう治療をするの?
ロタウィルス感染症は自分の免疫力で自然となる病気です。特別な治療方法はなく、脱水が診察で見られる場合には経口補水液を飲むように指示します。アメリカではロタウィルスに感染した人の70人に1人が入院したという報告もあります。その多くは水分が取れない、脱水が原因だと思われますのでしっかりと水分は取るようにしましょう。
感染を予防するためには?
ロタウィルスは症状がなくなってから1週間ほど経過するまで人に感染する恐れがあります。以下に注意をしてロタウィルスに感染した場合には接するようにしましょう。
- 子供のオムツを替えた後には手をよく洗うようにしましょう
- 料理をする前にオムツを替えないようにしましょう
- オムツをゴミ箱に捨てる前に袋に入れてから捨てましょう
- オムツを替えた場所をアルコール食毒か洗剤で洗うようにしましょう
- 赤ちゃんはロタウィルスワクチンを予防接種しましょう
毎年冬になるとロタウィルスによる感染症によってご家族皆さんでぐったりされて来院される場合があります。ロタウィルスに感染しているのか、脱水があるのか不安などお悩みのことがあれば中島医院でご相談ください。
参考資料
CDC Rotavirus
NIID 国立感染症研究所 ロタウィルス感染性腸炎とは