舌下免疫療法 

舌下免疫療法とは?

舌下免疫療法とはアレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ取り入れていく事で体を原因物質に慣れさせ、アレルギーを改善する治療法です。
舌下免疫療法は今まで対症療法しかなかったアレルギーに対してアレルギー自体を治療してくれる新しい治療法です。別名減感作療法、アレルゲン免疫療法とも呼ばれています。
この治療によってアレルギーが治癒する方や治癒に至らなくてもアレルギー症状が楽になり薬が減らせる方がたくさんいらっしゃいます。またその他にこれから新しいアレルギーになることへの予防効果や喘息の発症の抑制効果も報告されています。
アレルゲン免疫療法自体は100年ほど前から行われており、主に注射による治療が主体でした。しかし注射を定期的に打つのは大変でお子さんにはストレスとなります。
その結果負担の少ない舌下投与の薬が開発され、ここ30年ほどヨーロッパを中心とする海外で行われてきました。日本では2014年から保険適応として認められ現在急速に普及してきています。

何のアレルギーが良くなるの?

日本で承認されている舌下免疫治療はスギ花粉、ダニに対してのアレルギー性鼻炎です。
当院で採血検査(他院でアレルギー検査を受けた方は検査結果を持参していただければ当院で治療できます)を行い、ダニやスギにアレルギーがあることが確認でき、かつ症状を認める場合には治療の適応となります。舌下免疫療法をすることで鼻汁や流涙などアレルギー症状が改善することができ、患者さんの中には薬やテッシュが要らなくなったという方もいらっしゃいます。
ただ即効性はあまり期待できないのでしばらく飲み続ける必要があります。

副作用(副反応)はあるの?

口や舌、唇の腫れやかゆみ、喉のかゆみ、鼻炎、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、胸やけなどがあります。
これらの症状が起きる確率は2%程度と言われており、副作用の多くは薬を飲んで30分以内に起こることが多いとされます。重症なアレルギー反応が出ることがほとんどない安全な治療といわれています。
それでも安全のために初めて舌下免疫療法を行う時には院内で医師の管理の元で薬を使用して30分間副作用が出現しないか様子をみる必要があります。

具体的にはどういったことをするの?

舌下免疫療法をすることが決まったら、医師が薬を処方します。毎日舌の裏に薬を保持して1、2分ほど過ごし、その後飲み込みます。
それから5分間はうがいや食べ飲みは控えるようにします。
薬を開始してから1週間で薬の量を増やします。
そのため最初は1週間後に来院する必要があり、症状が安定すれば1ヶ月分の処方ができるようになります。推奨する使用期間は3〜5年といわれています。

舌下免疫療法はだれでもできるの?

以下のいずれかに該当する場合には行えません。

  • 5歳未満のお子さんや65歳以上のご年配の方
  • スギ花粉が流行している時期のスギ花粉の舌下免疫療法の開始
  • 現在感染症にかかっている場合(発熱を伴う風邪など)
  • 抜歯など口の中の手術をして間もない場合
  • β遮断薬(降圧剤や不整脈の治療として用いられる薬です)を服用している場合
  • 治療開始時に妊娠している場合
  • 重症喘息をお持ちの方、または現在喘息の発作が出ている時
  • 重症な病気をお持ちの場合(がん、自己免疫疾患、免疫不全、重症な心臓病、慢性的な感染症など)
  • ステロイドの飲み薬や抗癌剤を使われている方

 

舌下免疫療法は患者さんへの負担が少ない画期的なアレルギー治療法です。
荻窪にお住まいでお困りの方は舌下免疫療法に慣れた医師のいる中島医院で治療を開始してみてはいかがでしょうか。

舌下免疫療法についてより詳しく知りたい方は以下にアクセスしてください。

(鳥居薬品のホームページに飛びます)

参考資料

日鼻誌 アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法の実際と対応

Clinical and Experimental Otorhinolaryngology. Sublingual Immunotherapy in Allergic Rhinitis: Efficacy, Safety, Adherence and Guidelines.

ACAAI Public Website